「から揚げ専門店って、1日どんなふうに動いているの?」
開業前に知りたかったのに、なかなかリアルな情報がなかった。だから正直に書きます。開業半年、テイクアウト専門店の1日のスケジュールをそのままお伝えします。
前日の閉店後|仕込みがすべての土台
から揚げの仕込みは、翌日の営業に向けて
前日の閉店時間帯に行います。
流れはこうです。
- 冷凍の鶏肉を取り出して解凍
- 適切なサイズに鶏肉をカット
- タレに漬け込んで冷蔵保管
慣れるまで一番難しかったのが
解凍時間の把握です。翌日の気温・販売量・冷凍庫の状態によって解凍具合が変わります。解凍が足りないと翌朝の仕込みが間に合わず、解凍しすぎると品質が落ちる。この感覚をつかむまでに時間がかかりました。
仕込みの精度が、翌日の営業クオリティをほぼ決めます。地味ですが、最も重要な作業です。
開店前の準備|油とご飯から始まる朝
開店前にやることは主に2つです。
まず
炊飯。お弁当メニューがあるので、販売数を見越してご飯を炊いておきます。読みが外れると途中で足りなくなったり、逆に余りすぎたりするので、これも経験で精度が上がっていきます。
そして
フライヤーへの油の投入。これが地味に大変です。油は重く、温度が上がるまで時間もかかります。開店時間から逆算して準備を始めないと、油が温まらないまま開店になってしまいます。
営業中|ピークタイムが勝負
営業時間は昼の部と夜の部の2部制です。
ピークタイムは2回あります。
- 昼:11:00〜13:00
- 夕方:17:00〜19:00
この時間帯だけ2人体制で回します。注文が集中する時間は揚げ物・レジ・包装をフル回転させる必要があるため、1人では対応しきれません。
ピーク以外の時間帯は1人で営業できます。ただし「暇な時間」と油断は禁物。次のピークに向けた準備や、仕込みの追加作業が入ることもあります。
閉店後|片付けと翌日の準備
閉店後にやることは想像以上に多いです。
- フライヤーの油の処理・清掃
- 厨房・カウンターの清掃
- レジ締め(売上の確認・記録)
- 帳簿付け
- 翌日の仕込み(前述)
これらをすべてこなすと、閉店してから店を出るまでにかなりの時間がかかります。「閉店=終わり」ではなく、「閉店=翌日の準備スタート」という感覚です。
1日で一番しんどい時間
正直に言います。
休憩なしに仕込みが重なるときが一番きつい。
ピークタイムを2回乗り越えて、体が疲れているところに閉店後の仕込みが待っています。立ちっぱなし・動きっぱなしの1日の最後に、鶏肉を切って漬け込む作業をする。慣れてきても、体への負担は積み重なります。
「飲食はきつい」と頭でわかっていても、実際にやってみると想像以上でした。これは開業前に覚悟しておいてほしいことのひとつです。
1日で一番やりがいを感じる瞬間
お客様から「
から揚げあって助かった〜」と言われたとき。
これだけで、その日の疲れが吹き飛びます。
テイクアウト専門店は、お客様の「今日の夕食」に直接関わります。仕事帰りに立ち寄ってくれた方、家族のためにまとめ買いしてくれた方——そういう方々の一言が、続ける力になっています。
数字や経営の話ばかりになりがちですが、お客様の声が一番のやりがいです。
まとめ|1日のタイムライン
- 前日閉店後:鶏肉の解凍・カット・漬け込み(仕込み)
- 開店前:炊飯・フライヤーへの油投入・開店準備
- 昼ピーク(11:00〜13:00):2人体制でフル稼働
- ピーク間:1人営業・追加仕込み・翌日準備
- 夕方ピーク(17:00〜19:00):2人体制でフル稼働
- 閉店後:清掃・レジ締め・帳簿・仕込み
休憩らしい休憩はありません。それが現実です。でも、自分のお店でお客様に喜んでもらえる仕事には、サラリーマン時代にはなかった充実感があります。
開業を考えている方は、この1日のイメージをしっかり持った上で判断してください。