商工会への相談は無料です。これだけでも行く価値があります。でも私が「行ってよかった」と思う本当の理由は、無料だからではありません。
初対面で言われた一言「やめたほうがいいよ」
商工会の担当者に初めて会ったとき、開口一番こう言われました。
「この地域で唐揚げ店? やめたほうがいいよ。」
がーーーん。
スタートラインにも並ばせてもらえませんでした。開業への意欲をもって相談に行ったのに、最初の一言で全否定です。正直、かなり滅入りました。
でも、その言葉には根拠があった
その後、よくよく話を聞くと理由がわかりました。
- この地域は飲食店が多く、昼はランチ・お弁当を提供している店が多い
- 競合の多くは自社物件のため家賃がかからず、お弁当を安く設定できる
- 企業向けのお弁当は専任業者がすでにいる
- この地域の人がランチにかける金額と客数(客単価×客数)はそう高くない
地域の特性を熟知したうえでの助言だったのです。
そして担当者はこう付け加えました。
「お弁当を10個、毎日毎日売り続けるのも大変なんだよ。」
これは数字のことだけでなく、
商売の厳しさを伝えてくれた言葉でした。
それでも、私は諦めなかった
正直に言えば、一度は相当ヘコみました。でも本気で挑む以上、めげてはいられません。
何度も商工会に足を運び、相談を重ねました。週に1回のペースで通い続けました。担当者も、私の本気を見てくれていたのだと思います。
何度目かの相談のあと、ようやく融資の相談に進むことができました。
そこからは早かった。
商工会の担当者は「経営のプロ」だった
融資の創業計画書作成だけでなく、経営そのものについても多くを教えてもらいました。
- 売上と原価の適正な比率
- どこに使いすぎているか
- 価格設定が合っているかどうか
自分では気づけなかった視点を、数字を使って整理してくれました。飲食未経験の私には、知りえなかった知識ばかりです。
行っていなかったら、どうなっていたか
商工会に行っていなかったら——おそらく
商売をなめてかかっていたと思います。
「やる気があれば何とかなる」「美味しければお客様は来る」——そういった根拠のない自信だけで開業していたかもしれない。
最初に「やめたほうがいい」と言われ、いったん鼻を折られたことが、結果として必要な経験でした。地域の現実を知り、数字で考える癖をつけ、それでも「やる」と決める——そのプロセスが、開業後の経営を支えています。
商工会に相談するときのポイント
- 相談は無料。「まだ開業するか決めていない」段階でもOK
- 創業計画書の作成サポートを受けられる
- 融資の相談窓口にもなってくれる
- 地域の市場動向・競合情報を教えてもらえる
- 週1回など継続して相談することで信頼関係が生まれる
耳の痛いことを言われることもあります。でもそれが本当のアドバイスです。背中を押してくれる人だけでなく、
止めてくれる人の話もちゃんと聞いてほしい。そのうえで自分で判断する。それが開業への正しい向き合い方だと思っています。